マンCいつから強くなった?歴史と躍進

マンCの強さの変遷と転機

マンチェスター・シティの躍進
📅

2008年以前

昇格降格を繰り返す中堅クラブ

💰

2008年の転機

アブダビ・ユナイテッドグループによる買収

🏆

2010年代以降

プレミアリーグ優勝を重ね、強豪クラブへ

マンCの歴史:創設から2008年まで

マンチェスター・シティFCの歴史は1880年にさかのぼります。当初はアーディックAFCとして創設され、1894年に現在の名称となりました。しかし、長年にわたり、クラブの成績は安定せず、昇格と降格を繰り返す中堅クラブでした。

1960年代から70年代にかけて、マンCは一時的な黄金期を迎えます。1968年にリーグ優勝を果たし、1970年にはヨーロッパカップウィナーズカップを獲得しました。しかし、その後は再び低迷期に入り、1990年代後半には3部リーグまで降格する事態に陥りました。

2000年代に入ると、マンCは徐々に這い上がり始めます。2002年にはプレミアリーグに復帰し、2003年にはメインロードからより大規模なシティ・オブ・マンチェスター・スタジアム(現エティハド・スタジアム)に本拠地を移転しました。しかし、この時点でもマンチェスター・ユナイテッドの圧倒的な強さに比べると、まだまだ力不足でした。

マンCの転機:2008年のアブダビ買収

マンチェスター・シティの運命を大きく変えたのは、2008年9月1日のことでした。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ・ユナイテッド・グループ・フォー・ディベロップメント・アンド・インベストメント(ADUG)がクラブを買収したのです。

この買収により、マンCは莫大な資金力を手に入れました。ADUGは約2億5000万ユーロ(当時のレートで約321億7400万円)でクラブを取得し、その後も積極的な投資を続けていきます。

買収直後から、マンCは世界的な選手の獲得に乗り出します。2008-09シーズンには、ブラジル代表のロビーニョを当時のクラブ記録となる3200万ポンドで獲得。これを皮切りに、カルロス・テベス、エマニュエル・アデバヨール、ガレス・バリーなど、次々と有力選手を獲得していきました。

マンCの躍進:2010年代以降の成績

2010年代に入ると、マンチェスター・シティの躍進が本格化します。2011年にはFAカップを獲得し、35年ぶりのメジャータイトルを手にしました。

そして2011-12シーズン、マンCは劇的な形でプレミアリーグ初優勝を果たします。最終節、クイーンズ・パーク・レンジャーズ戦で後半アディショナルタイムに2ゴールを奪い、ライバルのマンチェスター・ユナイテッドを勝ち点差で上回りました。

以降、マンCは以下のようなプレミアリーグタイトルを獲得しています:

  • 2011-12シーズン
  • 2013-14シーズン
  • 2017-18シーズン
  • 2018-19シーズン
  • 2020-21シーズン
  • 2021-22シーズン
  • 2022-23シーズン

特に2017-18シーズンは、プレミアリーグ史上初となる勝ち点100を記録する圧倒的な強さを見せました。

マンCの強化戦略:資金力と育成の両立

マンチェスター・シティの急激な躍進の背景には、潤沢な資金力を活かした戦略的な強化があります。しかし、単に高額な移籍金を支払って有名選手を集めるだけでなく、クラブ全体の強化に取り組んできました。

  1. 世界トップクラスの選手獲得
    マンCは、ケヴィン・デ・ブライネ、ラヒーム・スターリング、リヤド・マフレズなど、世界最高峰の選手たちを獲得しました。2021年には、ジャック・グリーリッシュを約1億ポンドで獲得し、イングランドサッカー史上最高額の移籍金を記録しています。

  2. 若手育成システムの充実
    同時に、マンCは若手育成にも力を入れています。シティ・フットボール・アカデミーを設立し、フィル・フォーデンのような世界クラスの選手を育成することに成功しています。

  3. 指導者の招聘
    2016年にはペップ・グアルディオラを監督に迎え入れ、戦術面でも世界最高峰のレベルを目指しました。グアルディオラの下で、マンCは攻撃的で美しいサッカーを展開し、多くのタイトルを獲得しています。

  4. 施設・スタジアムの整備
    エティハド・スタジアムの改修や、最新のトレーニング施設の建設など、ハード面の整備にも力を入れています。

マンCの躍進がもたらした影響と課題

マンチェスター・シティの急激な躍進は、サッカー界に大きな影響を与えました。

  1. ライバル関係の変化
    かつてはマンチェスター・ユナイテッドの「弟分」的存在だったマンCが、今や対等以上のライバルとなりました。マンチェスター・ダービーの様相も大きく変わり、両チームの対戦は世界中のサッカーファンが注目する一戦となっています。

  2. 財政面での懸念
    マンCの急激な投資は、UEFAのフィナンシャル・フェアプレー(FFP)規則との関連で問題視されることもあります。2020年には、UEFAからFFP違反で欧州大会2年間の出場停止処分を受けましたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)での上訴により処分は取り消されました。

  3. シティ・フットボール・グループの展開
    マンCの所有者は、世界各地でサッカークラブを買収し、「シティ・フットボール・グループ」を形成しています。ニューヨーク・シティFC(米国)、メルボルン・シティFC(豪州)、横浜F・マリノス(日本)などが含まれ、グローバルなネットワークを構築しています。

  4. サッカービジネスモデルへの影響
    マンCの成功は、サッカークラブの経営モデルにも影響を与えています。潤沢な資金力を背景に、選手獲得、育成、マーケティングなど、あらゆる面で最高水準を目指す姿勢は、他のクラブにも影響を与えています。

マンチェスター・シティの躍進は、2008年の買収を機に始まり、約15年の間に世界トップクラスのクラブへと成長しました。しかし、この急激な成長には賛否両論があり、サッカー界全体にとって何が最適なのか、議論は続いています。

今後、マンCがどのようにしてこの成功を持続させ、さらなる高みを目指すのか、そしてサッカー界全体にどのような影響を与えていくのか、注目が集まっています。

---