
長谷川唯のトレーニングから学ぶ技術と判断力の基礎
長谷川唯選手が語った練習と、子どもが学べること
キックとボールコントロールをどう練習する?

ボールを止める練習では、足元で完全に静止させることだけを正解にしないでください。次に右へ進みたいなら右へ、相手から離れたいなら安全な側へ、最初のタッチでボールを置く方法もあります。大人がゆっくり守備役になり、子どもに「近づいてきたら、どこへ置く?」と尋ねると、止める技術と次の判断を一緒に試せます。失敗した場合は、ボールが大きく離れたのか、相手を見るのが遅れたのかを一つだけ確認します。最初からタッチ数を制限しすぎず、ドリブルで逃げる選択も残すことが大切です。JFAのキッズ向け資料も、ボールに親しむことに加え、ゲームの中で子ども自身が判断する機会を重視しています。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 狙った場所へのキック | 二つの目印の間を通す。近い距離から始め、足の当て方を確かめる。 | 成功率が下がったら距離を戻す。飛距離は競わない。 |
| 動くボールのコントロール | 大人がゆっくり転がし、止める位置を選んでからパスする。 | 次のプレーにつながる位置かを見て振り返る。 |
| 利き足以外の使用 | 無理のない近距離で、止める・短く蹴る経験を加える。 | 左右同じ精度を急いで求めない。 |
| 振り返り | 「どこを狙った?」「次は何を変える?」と短く聞く。 | 大人が答えを先に言い切らない。 |
表の内容は、公式の「長谷川唯トレーニング」ではなく、保護者や指導者が練習を組み立てるための例です。うまく通せた本数だけで評価せず、前回よりも狙いを持って蹴れたか、できなかったときに別の方法を試せたかを見てください。JFAは、この年代では発育や経験の差に配慮し、課題の難しさを調整して成功と失敗の両方を経験できるようにすることを勧めています。
相手を見て判断する少人数ゲーム
- プレー前には「守備役はどこにいる?」と尋ね、見る場所を一つに絞る。
- プレー後には「なぜパスにした?」「次はドリブルもできる?」と、選んだ理由を聞く。
- どちらの選択も試せるよう、守備役の立つ位置を変えて再開する。
- 正解を一つに決めず、挑戦した判断と、その後の気づきを認める。
人数がそろうチームなら、少人数のミニゲームに発展させます。JFAのハンドブックでは、4対4は子どもがボールに触れやすく、ゲーム全体を見渡して判断しやすい形として紹介されています。練習した技術をゲームで試し、うまくいかなかった場面を次の練習につなげるという組み立ても、JFAのグラスルーツ向け資料と合致します。「パスを何本つなぐこと」だけを目的にすると、空いたゴールへ運ぶ好機を見逃す場合があります。得点を狙う、相手からボールを守る、味方と協力するというゲームの目的を残しながら、練習テーマを一つ設定しましょう。
自主練習は何分?プロの練習量をまねない理由
長谷川選手は小学生時代に目標を持って自主練習に励んだ一方、成長後にはウェイトトレーニングにも取り組んでいます。ただし、本人の経験は、すべての子どもに同じ量や内容が必要という意味ではありません。特に、成人選手が専門家の管理下で行う筋力トレーニングや自主練習の頻度を、小学生の基準として紹介するのは避けるべきです。保護者は「長谷川選手はこれだけやったから」と量を競わせるより、子どもが自分でやりたいと思える課題を一緒に選びましょう。本人も、サッカーを続けられた大きな理由として、強制ではなく楽しかったことを挙げています。

活動量を考える際の参考として、JFAのU-8/U-10向けハンドブックは、大人の指導のもとで集まって行う活動について、U-8では週1~2回・1回45分くらい、U-10では1回60~90分くらいまでを目安に示しています。また、15分に1回は休憩して水分を補給し、子どもの様子によっては早く切り上げるよう求めています。これは自由な外遊びまで一律に時間制限する数字ではありません。一方で、クラブ練習や試合で疲れている日に自主練習をさらに積み重ねる理由にもなりません。予定よりも、その日の元気さ、痛みの有無、暑さ、本人の気持ちを優先してください。
家庭では「毎日必ず何分」ではなく、子どもが取り組みたい日には、まず狙った場所へのキックやボール遊びを一つ選ぶ程度で十分です。公園を使う場合は、利用規則、人通り、車道や窓との距離を確かめます。縄跳びをしながらのリフティングは長谷川選手が披露した遊び心のある挑戦ですが、初心者の必須課題ではありません。周囲に十分な空間がない場所や、疲れがあるときに難しい技へ挑戦する必要はなく、普通のリフティングやボールを使わない遊びを選んでもかまいません。

保護者と指導者が成長を支える声かけ
保護者は試合中に「今パス!」「そこで蹴って!」と答えを出し続けるより、子ども自身が見て選ぶ時間を守りたいところです。JFAも、周囲の大人が子どもの判断にプレッシャーをかけず、ほかの子と比較するより、その子自身の変化を見るよう促しています。帰宅後は勝敗より先に「今日は楽しかった?」「自分で工夫したプレーはあった?」と聞くと、子どもが話したい内容から会話を始められます。痛みや強い疲れを訴えるときは頑張りを求めず、練習をやめて休ませ、症状が続く場合は医療機関に相談してください。

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