ブンデスリーガ19-20シーズン概要
2019-20シーズンのブンデスリーガは、バイエルン・ミュンヘンの圧倒的な強さと、新型コロナウイルスの影響による中断という、非常に特殊な状況下で展開されました。
シーズン序盤は混戦模様でしたが、後半戦からバイエルンが圧倒的な強さを見せ、最終的に勝点82で優勝を果たしました。2位のドルトムントとは13ポイント差をつける圧勝でした。
特筆すべきは、このシーズンがコロナ禍での開催となったことです。3月から約2ヶ月間リーグが中断され、5月16日から無観客試合という形で再開されました。この異例の事態にも関わらず、各クラブは高いパフォーマンスを維持し、熱い戦いを繰り広げました。
ブンデスリーガ19-20 バイエルンの圧倒的強さ
バイエルン・ミュンヘンは、このシーズン驚異的な成績を残しました。リーグ戦では34試合中26勝4分4敗、得点数は100ゴールに達し、失点はわずか32と、攻守ともに圧倒的な強さを見せました。
特に注目すべきは、シーズン途中での監督交代です。ニコ・コヴァチ監督が11月に解任され、ハンス=ディーター・フリック氏が暫定監督として就任しました。フリック監督の下でチームは一気に調子を上げ、最終的には三冠(ブンデスリーガ、DFBポカール、UEFAチャンピオンズリーグ)を達成する快挙を成し遂げました。
バイエルンの強さの源は、チーム全体のバランスの良さにありました。攻撃陣ではロベルト・レバンドフスキが34ゴールを挙げて得点王に輝き、中盤ではトーマス・ミュラーが21アシストでリーグ記録を更新。守備陣も安定したパフォーマンスを見せ、ゴールキーパーのマヌエル・ノイアーは相変わらずの安定感を見せました。
ブンデスリーガ19-20 ドルトムントの奮闘
2位に入ったボルシア・ドルトムントも、素晴らしいシーズンを送りました。若手の台頭が目立ち、特にジェイドン・サンチョとアーリング・ハーランドの活躍が光りました。
サンチョは17アシストでアシスト王を獲得し、ハーランドは冬の移籍市場でチームに加入後、わずか15試合で13ゴールを記録する驚異的な得点力を見せました。
ドルトムントは攻撃的なサッカーで観客を魅了し、シーズン終盤までバイエルンと優勝を争う展開を見せました。しかし、直接対決でバイエルンに敗れたことが痛手となり、最終的に2位に甘んじることとなりました。
ブンデスリーガ19-20 日本人選手の活躍
このシーズン、ブンデスリーガでは日本人選手も活躍を見せました。特に注目を集めたのが、フランクフルトの長谷部誠と鎌田大地です。
長谷部誠は、チームの中心選手として安定したパフォーマンスを見せ、フランクフルトの中盤を支えました。彼の経験と冷静なプレーは、チームにとって大きな資産となりました。
一方、鎌田大地は、このシーズンブレイクした選手の一人です。特に後半戦での活躍が目覚ましく、得点とアシストを量産し、チームの攻撃の要となりました。
他にも、ブレーメンの大迫勇也や、2部のシュトゥットガルトで活躍した遠藤航など、多くの日本人選手がブンデスリーガで存在感を示しました。
ブンデスリーガ19-20 コロナ禍での再開と影響
2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大により、ブンデスリーガは一時中断を余儀なくされました。約2ヶ月の中断後、5月16日にリーグが再開されましたが、これは欧州の主要リーグの中で最も早い再開となりました。
再開後の試合は無観客で行われ、選手やスタッフは厳格な衛生プロトコルを遵守する必要がありました。この異例の状況下でのリーグ再開は、世界中のサッカーファンの注目を集めました。
コロナ禍での再開は、各クラブに様々な影響を与えました。無観客試合によるチケット収入の減少や、テレビ放映権料の減額など、財政面での影響は避けられませんでした。一方で、ブンデスリーガが他のリーグに先駆けて再開したことで、世界中のサッカーファンの注目を集め、リーグの知名度向上にもつながりました。
ブンデスリーガ19-20 意外な事実と統計
このシーズンには、あまり知られていない興味深い事実や統計があります。
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最多得点チーム:バイエルンの100得点は、ブンデスリーガ史上2番目の多さです。1位は1971-72シーズンのバイエルン・ミュンヘンの101得点です。
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最少失点チーム:ライプツィヒが37失点で最少失点を記録しました。これは、バイエルンの32失点に次ぐ好成績です。
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最年少得点者:ドルトムントのユースーファ・ムココが16歳11ヶ月でゴールを決め、ブンデスリーガ史上最年少得点記録を更新しました。
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最多アシスト:トーマス・ミュラーの21アシストは、1シーズンでの最多アシスト記録を更新しました。
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最長無敗記録:バイエルンは、シーズン後半から25試合連続無敗を記録しました。これは、クラブ史上最長の無敗記録となりました。
これらの統計は、このシーズンがいかに特別なものだったかを物語っています。
ブンデスリーガ2019-20シーズンは、コロナ禍という前例のない状況下で開催されましたが、バイエルン・ミュンヘンの圧倒的な強さ、若手選手の台頭、そして日本人選手の活躍など、多くの見どころがありました。
このシーズンは、サッカーの持つ力強さと、困難な状況下でも前進し続けるスポーツの精神を示すものとなりました。バイエルンの三冠達成は、チームの強さだけでなく、厳しい状況下でも最高のパフォーマンスを発揮する選手たちの精神力を示すものでした。
また、無観客試合という新しい形式は、サッカーの本質的な魅力が観客の存在だけでなく、プレー自体にあることを再確認させるものとなりました。
このシーズンの経験は、今後のブンデスリーガ、そして世界のサッカーにとって貴重な教訓となることでしょう。困難な状況下でも、サッカーは人々に希望と興奮を与え続けることができるのです。
ブンデスリーガ2019-20シーズンは、サッカーの歴史に特別な1ページを刻んだと言えるでしょう。次のシーズンも、新たな挑戦と驚きに満ちた展開が期待されます。