プレミアリーグのゴール期待値とxG
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xGとは何か?サッカー分析での重要性
サッカーの世界で近年注目を集めている指標、それが「ゴール期待値(xG)」です。xGは、各シュートがゴールになる確率を0から1の数値で表したものです。この指標は、チームや選手のパフォーマンスを客観的に評価する上で非常に重要な役割を果たしています。
xGの計算には、以下のような要素が考慮されます:
• シュートの位置
• シュートの角度
• シュートの種類(ヘディング、ボレーなど)
• 守備側の選手の位置
• ゴールキーパーの位置
例えば、ペナルティエリア内の無人のシュートは高いxG値を持ちますが、ハーフウェイラインからのシュートは非常に低いxG値となります。
xGの重要性は、単なる得点数や勝敗だけでは見えてこない、チームや選手の真の実力を浮き彫りにできる点にあります。例えば、あるチームが多くのシュートを打ちながらも得点できていない場合、xGを見ることで、そのチームが質の高いチャンスを作り出せているかどうかを判断できます。
また、xGは以下のような分析にも活用されています:
- 選手の評価:実際の得点数とxGを比較することで、選手の決定力を評価できます。
- チーム戦略の分析:どの位置からのシュートが多いか、効果的かを分析できます。
- 相手チームの分析:対戦相手がどのようなシュートパターンを持っているかを把握できます。
プレミアリーグ各チームのxG比較と順位の関係
プレミアリーグにおいて、xGと実際の順位には興味深い関係性が見られます。2022-2023シーズンのデータを基に、いくつかの注目ポイントを見ていきましょう。
順位 | チーム | xG | 実際の得点 |
---|---|---|---|
1 | マンチェスター・シティ | 89.2 | 94 |
2 | アーセナル | 75.8 | 88 |
3 | マンチェスター・ユナイテッド | 62.1 | 58 |
4 | ニューカッスル | 68.5 | 68 |
この表から、以下のような興味深い傾向が見えてきます:
-
上位チームのxGと実際の得点の関係:
マンチェスター・シティとアーセナルは、xGを上回る得点を記録しています。これは、両チームが効率的に得点を決めていることを示しています。特にアーセナルは、xGを12.2ポイントも上回る得点を挙げており、非常に高い決定力を示しています。 -
中位チームの傾向:
ニューカッスルは、xGとほぼ同じ得点を記録しています。これは、チームのパフォーマンスが安定していることを示唆しています。 -
xGと順位の相関:
概ね、xGの高いチームが上位に位置していますが、完全な一致ではありません。これは、得点力以外の要素(守備力など)も順位に影響を与えていることを示しています。
興味深いのは、マンチェスター・ユナイテッドのケースです。xGは62.1でしたが、実際の得点は58と下回っています。これは、チームとして質の高いチャンスを作り出せているものの、それを得点に結びつける効率が他の上位チームに比べて低いことを示しています。
このようなxGと実際の得点の差は、チームの攻撃の質や選手の決定力を評価する上で重要な指標となります。例えば、xGを大きく下回る得点しか挙げられていないチームは、フィニッシュの精度を上げる必要があるかもしれません。逆に、xGを大きく上回る得点を挙げているチームは、非常に効率的な攻撃を展開していると言えるでしょう。
ホームとアウェイでのxGの違いと傾向
プレミアリーグにおいて、ホームとアウェイでのxGには興味深い違いが見られます。一般的に、ホームゲームの方がxGが高くなる傾向にありますが、その差は各チームによって異なります。
以下は、2022-2023シーズンの上位チームのホームとアウェイでのxGの比較です:
チーム | ホームxG | アウェイxG | 差 |
---|---|---|---|
マンチェスター・シティ | 48.5 | 40.7 | +7.8 |
アーセナル | 41.2 | 34.6 | +6.6 |
リバプール | 39.8 | 35.3 | +4.5 |
トッテナム | 36.7 | 32.9 | +3.8 |
この表から、以下のような傾向が読み取れます:
-
ホームアドバンテージの存在:
全てのチームでホームのxGがアウェイを上回っています。これは、ホームでの試合の方が質の高いチャンスを作り出しやすいことを示しています。 -
チームによる差の違い:
マンチェスター・シティとアーセナルは、ホームとアウェイのxGの差が大きくなっています。これは、両チームがホームでより攻撃的なサッカーを展開していることを示唆しています。 -
安定したパフォーマンス:
リバプールとトッテナムは、ホームとアウェイのxGの差が比較的小さくなっています。これは、両チームが場所に関わらず一定のパフォーマンスを維持できていることを示しています。
このようなホームとアウェイでのxGの違いは、チームの戦術や選手の心理的な面にも影響を受けています。例えば、ホームでは観客のサポートを受けてより積極的に攻撃できる一方、アウェイでは守備的になりがちです。
また、興味深い点として、一部のチームではアウェイでのxGがホームを上回るケースも見られます。これは、カウンター攻撃を得意とするチームや、アウェイでより集中力が高まるチームに見られる傾向です。
このようなホームとアウェイでのxGの違いを分析することで、チームの特性や戦術の傾向を把握することができます。例えば、ホームとアウェイでxGの差が大きいチームは、アウェイでのパフォーマンス向上が課題となるかもしれません。逆に、場所に関わらず安定したxGを記録しているチームは、一貫したプレースタイルを持っていると言えるでしょう。
xGと実際の得点数の差から見る決定力
xGと実際の得点数の差は、チームや選手の決定力を評価する上で非常に重要な指標です。この差が大きいほど、チームや選手が期待以上の得点を挙げていることを意味します。
2022-2023シーズンのプレミアリーグにおける、主要選手のxGと実際の得点数の比較を見てみましょう:
選手名 | チーム | xG | 実際の得点 | 差 |
---|---|---|---|---|
アーリン・ハーランド | マンチェスター・シティ | 26.5 | 36 | +9.5 |
ハリー・ケイン | トッテナム | 22.3 | 30 | +7.7 |
モハメド・サラー | リバプール | 20.8 | 19 | -1.8 |
マーカス・ラッシュフォード | マンチェスター・ユナイテッド | 15.6 | 17 | +1.4 |
この表から、以下のような興味深い傾向が見えてきます:
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超人的な決定力:
アーリン・ハーランドは、xGを9.5ポイントも上回る得点を記録しています。これは、彼の驚異的な決定力を示しています。同様に、ハリー・ケインもxGを大きく上回る得点を挙げており、両選手の卓越した決定力が際立っています。 -
期待通りのパフォーマンス:
マーカス・ラッシュフォードは、xGとほぼ同等の得点を記録しています。これは、彼が期待通りのパフォーマンスを発揮していることを示しています。 -
期待を下回るケース:
モハメド・サラーは、xGを若干下回る得点数となっています。これは、彼が通常の水準よりも決定力が低下していた可能性を示唆しています。
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このようなxGと実際の得点数の差は、選手の調子や、チームの戦術との相性などを反映していると考えられます。例えば、ハーランドの驚異的な数字は、彼の個人的な能力の高さだけでなく、マンチェスター・シティの戦術が彼の長所を最大限に引き出していることも示唆しています。