プレミアリーグ 怪我人の現状
2023-24シーズンのプレミアリーグは、怪我人の数が過去最多を記録し、多くのクラブが選手の離脱に悩まされる結果となりました。
イギリスの『BBC』が報じた『Premier League Injuries』のデータによると、リーグ全体で655選手が1試合以上の欠場を強いられたとのことです。この数字は、前シーズンと比較して11%も増加しており、特にハムストリングの負傷が18%も増えていることが明らかになりました。
マンチェスター・Uが最多の45選手が負傷離脱
クラブ別に見ると、マンチェスター・ユナイテッドが最も多くの負傷者を抱えており、延べ45選手が離脱を余儀なくされました。エリック・テン・ハーグ監督は度々記者会見で怪我人リストの長さを嘆いており、チームの成績にも大きな影響を与えたと考えられます。
チェルシーとニューカッスルも40選手以上が負傷
マンチェスター・ユナイテッドに次いで、チェルシーが43選手、ニューカッスルが41選手と、40人を超える負傷者を出しています。特にチェルシーは、怪我人に支払った給与額が約90億円と、リーグ内で最も高額だったことが明らかになっています。これらのクラブは、シーズンを通じて主力選手の離脱に悩まされ、安定したパフォーマンスを発揮することが難しかったと言えるでしょう。
リーグ全体では655選手が1試合以上欠場
プレミアリーグ全体では、655選手が1試合以上の欠場を強いられました。この数字は、過去20年間のデータの中で最多となっています。負傷した選手たちの延べ離脱期間は2万5131日にも及び、前シーズンから19%も増加しています。
プレミアリーグの過密日程や長時間のアディショナルタイムの導入が、選手の身体に大きな負担をかけていることが指摘されています。『Premier Injuries』のベン・ディナリー氏は、「疲労を抱えていても、体が限界に達するまでは特に問題なく動くことができるが、限界に達した瞬間、問題が発生する。ケガを引き起こす最大の敵は疲労だ」と分析しています。
プレミアリーグの怪我人問題に関する詳細な統計情報はこちらをご覧ください:
プレミアリーグの怪我人統計(SPOTVNEWS)
クラブ別 プレミアリーグ 怪我人ランキング
トッテナムが22選手で最多
トッテナムは、シーズン中に22選手が負傷を経験し、リーグ内で最も多くの選手が怪我に悩まされました。トッテナムのトップチーム登録選手が26名であることを考えると、ほぼ全ての選手がシーズン中のどこかで負傷していたことになります。この状況は、チームの戦術や選手の起用に大きな影響を与えたと考えられます。
ブライトンとリヴァプール、マンチェスター・Uが21選手ずつ
ブライトン、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッドは、それぞれ21選手が負傷を経験し、トッテナムに次ぐ2位タイとなりました。特にリヴァプールは、ユルゲン・クロップ監督が度々記者会見で怪我人の多さを嘆いており、チームの戦力に大きな影響を与えたことが窺えます。
アストン・ヴィラ、チェルシー、クリスタル・パレス、ニューカッスルが20選手ずつ
アストン・ヴィラ、チェルシー、クリスタル・パレス、ニューカッスルは、それぞれ20選手が負傷を経験し、3位タイとなりました。特にニューカッスルは、シーズン後半に怪我人が続出し、リーグ戦最近6試合で1勝5敗と苦しんだことが報告されています。
一方で、優勝したマンチェスター・シティと最後まで優勝争いを繰り広げたアーセナルは、ともに14選手の負傷にとどまり、リーグ内で最も少ない怪我人数を記録しました。この差が、シーズン終盤の戦いに大きな影響を与えたと考えられます。
プレミアリーグの怪我人問題に関する詳細な分析はこちらをご覧ください:
プレミアリーグの怪我人問題分析(Arsenal Chan)
プレミアリーグ 怪我人増加の要因
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過密日程とインターナショナルブレイクの並行
プレミアリーグの怪我人増加の主な要因として、過密日程が挙げられています。ヨーロッパカップ戦やインターナショナルブレイクとの並行により、選手たちは十分な休息を取ることが難しくなっています。特に、12月21日から1月2日にかけての年末年始の期間は、3つのフィクスチャが組まれ、クラブは60時間以内に次の試合をプレイすることが禁じられているものの、回復時間が十分ではないことが指摘されています。
長時間のアディショナルタイムが負担に
2023-24シーズンから導入された長時間のアディショナルタイムも、選手の負担増加の一因となっています。遅延行為を防ぐための追加時間の増加により、100分を超える試合も珍しくなくなりました。これにより、選手たちは従来以上に長時間のプレーを強いられ、身体的な負担が増大しています。
選手の疲労が最大のリスク要因
『Premier Injuries』のベン・ディナリー氏は、「疲労によって、身体が限界点に達するまでは元気だが、その後問題が起きる。負傷の最大のレッドフラッグは疲労だ」と指摘しています。選手たちは過密日程と長時間の試合により、適切な回復時間を確保することが難しくなっており、これが怪我のリスクを高めている主な要因だと考えられます。
さらに、来シーズンのチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのグループステージは、どちらも36クラブで競われ、6試合から8試合に増えることが決まっています。これにより、トップクラブの選手たちの負担はさらに増加することが予想され、怪我人問題がさらに深刻化する可能性があります。
プレミアリーグの過密日程と選手の負担に関する詳細な分析はこちらをご覧ください:
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この状況を改善するためには、試合数の削減や選手の出場時間制限など、様々な対策が検討されています。しかし、ビジネス的な観点から試合数を維持したいという意向も強く、個々の選手のプレー時間を制限するなど、現実的な解決策を見出すことが急務となっています。
プレミアリーグの2023-24シーズンは、怪我人の数が過去最多を記録し、多くのクラブが選手の離脱に悩まされる結果となりました。過密日程や長時間のアディショナルタイムの導入など、様々な要因が重なり合って、この問題を引き起こしています。今後、リーグや各クラブが選手の健康管理にどのように取り組んでいくのか、注目が集まっています。